ぼく「配信に通話乗せてもいい?」
Aさん「いいよ」
Bさん「OK」
Cさん「できれば乗せないでほしいかな」
Discordで通話しながらゲームを遊んでいる様子をYouTube Liveなどでライブ配信しようと思ったとき、上記のような事情が発生する場合があります。
この記事では、上記のような場合に特定の人の通話音声だけを配信に乗せる方法を解説します。上記の例でいえば「AさんとBさんの声だけを配信に乗せて、Cさんの声は配信に乗せない。ただしもちろん、自分自身はCさんの声を聞くことができる」という状態を目指します。
ざっくりとした流れは下記の通りです。
- Discordのサブ垢を用意する。
- 本垢とサブ垢で同時に通話に入る。
- 本垢は自分が普通に通話する用、サブ垢はOBSに特定の人の通話音声を流し込む用。
- 2垢で同時に通話に入る手段はいくつかある。
- 「スマホのDiscord」と「PCのDiscord」を同時に使う。
- 「アプリ版のDiscord」と「ブラウザ版のDiscord」を同時に使う。(スマホ不要)
- 「Discord」と「Discord PTB」を同時に使う。(スマホ不要。この記事で解説する)
- サブ垢で「自分の本垢」「配信に通話音声を乗せたくない人」を個別ミュートする。
- OBSで「アプリケーション音声キャプチャ」を使ってサブ垢の通話音声を取り込む。
- OBSの「デスクトップ音声」はミュートしておく。
詳細な手順を以下で解説します。
Discord PTBを入手する
Discord PTBはDiscordのベータ版です。通常版とは別アプリ扱いになるため、Discord PTBを使用することでPC上でDiscordを2個同時に起動することが可能になります。
Discord公式サイトのダウンロードページにアクセスして下にスクロールすると「ちょっと冒険したい気分?」という項目があるので、そこの「公開テスト版ビルドをダウンロード」で「Windows 64-bit」を選択してダウンロードします。
ダウンロードされたDiscordSetupPTB.exeを実行し、適当に進めてインストールしておきます。
Discordのサブ垢を作成する
適当なメールアドレスでDiscordのサブ垢を作成します。作成できたらDiscord PTBを起動して、サブ垢でログインします。
Discord PTBの設定を変更する
出力デバイス
Discord PTBの設定を開き、「音声・ビデオ」タブの「出力デバイス」の設定を変更します。出力デバイスに自分が使っていない適当なデバイス(音の出ないデバイス)を指定します。なぜかというと、サブ垢はOBSに通話音声を流し込むためだけの存在であり、自分自身はサブ垢で通話音声を聞くわけではないからです。
「出力デバイスがひとつしかないよ(使っていない出力デバイスなんてものはないよ)」という場合は仮想オーディオデバイス「VB-CABLE」をインストールし、そちらを指定します。(筆者はそうしています)
VB-CABLEのインストール方法については以下の外部記事を参照。
聞き専にする
通話相手に自分の声が二重に聞こえてしまわないように、サブ垢は聞き専(ミュート)にしておきます。
自分の本垢を個別ミュートする
配信の視聴者に自分の声が二重に聞こえてしまわないように、自分の本垢を個別ミュートしておきます。(ミュートにしたい人を右クリックしてミュート)
配信に乗せたくない人を個別ミュートする
自分の本垢と同様に、配信に声を乗せたくない人も個別ミュートします。
OBS StudioでDiscord PTBの音声を取り込む
ここまで来たらあと少しです!OBS Studioに新しいソースとして「アプリケーション音声キャプチャ」を追加します。(このような名前のソースが見つからない場合はOBS Studioが最新版にアップデートされているかどうかを確認します)
ウィンドウ設定で [DiscordPTB.exe] を探して選択します。ウィンドウの一致優先順位設定はデフォルトの「タイトルに一致、そうでなければ同じ実行可能ファイルのウィンドウを見つける」でよいでしょう。
ここで以下の内容を確認します。
- 自分が喋っても「アプリケーション音声キャプチャ」の音声メーターが動かないこと。
- 配信に声を乗せたくない人が喋っても音声メーターが動かないこと。(最重要)
- 配信に声を乗せてもいい人が喋ったら音声メーターが動くこと。
また、OBSの「デスクトップ音声」はミュートしておきます。(これをミュートしておかないと全員の声が配信に乗ってしまいます)
これで完了です!お疲れさまでした。
注意点
- 個別に音量を調節しているフレンドがいる場合(この人は声が小さいので200%にしているとか)、Discord PTBのほうでも同じように調節しておくとよいでしょう。
- 配信NGな人がいない場合(サブ垢を使わず通常のDiscordの音声を配信で拾う場合)の設定との切り替えを忘れがちなので気を付けましょう。
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