この記事では〈グリル発進〉の乱獲の攻略法について考察します。乱獲とはサーモンランにおける金イクラのスコアアタックであり、できるだけ多くの金イクラを納品することを目指す遊びのことです。
あいさつ
こんにちは、ガンジーです。スプラトゥーン3の発売日は2022年9月9日。それに対して、この記事を公開したのは2025年1月7日。ゲームの発売から実に2年と4カ月の月日が経ったいま、初めて乱獲に関する記事を執筆し、公開しました。遅すぎますね。しかし一方で、何事にも遅すぎるということはないという言葉もあります。今回はこの言葉を信じて記事を書くことにしました。
ちなみに、記事を書こうと思ったきっかけはアドカレ(Advent Calendar)です。毎年12月になると、アドカレという文化によってたくさんのネットユーザーが様々な記事を書いてくれます。それを読んでいるうちに自分も記事を書きたくなったというわけです。
さて、乱獲の考察で最も需要があるイベントはもちろん昼ウェーブだと思います。しかし、昼ウェーブはマクロの戦略の複雑さもさることながら、何よりミクロの技術(いわゆるフィジカル)の要素が非常に強いこともあって、僕自身ほとんどその場その場の直感で遊んでいるのが実情です。したがって、昼ウェーブの考察はいったん後回しにし、今回は〈グリル発進〉について書くことにしました。
ただし、くれぐれも〈グリル発進〉の考察だからといって昼ウェーブの役には立たないとは思わないでください。〈グリル発進〉は昼ウェーブと全然違うゲームではなく、あくまで昼ウェーブを単純化したもの(オオモノシャケとザコシャケをそれぞれ1種類までそぎ落としたもの)に近いため、〈グリル発進〉の考察も必ず昼ウェーブの攻略に役立ちます。
あいさつが長くなってごめんなさい。ここから〈グリル発進〉の考察を始めます。(以下、丁寧語を省略)
ガンジー
用語解説
はじめに、一般的でない可能性のある用語について解説しておく。乱獲に馴染みのあるアルバイターにとっては必要のない説明がほとんどだと思われるので、読み飛ばしてもらってかまわない。
【昼】 | 空が暗くならない通常のウェーブ。イカリング3では「-」と表記される。 |
【夜】 | 空が暗くなる特殊なウェーブ。シャケ図鑑に記載されている「特殊な状況」のうち水位変化を除いたもので、記載されている順に〈ラッシュ〉〈霧〉〈グリル発進〉〈ドスコイ大量発生〉〈キンシャケ探し〉〈ハコビヤ襲来〉〈ドロシャケ噴出〉〈巨大タツマキ〉の8種。 |
【通常潮】 | 満潮でも干潮でもない通常の水位のこと。イカリング3では「普通」と表記される。 |
【湧く】 | 敵が出現する。スポーンする。 |
【湧き方角】 | 一定時間敵がまとまって出現する方角。どのステージにも3つの方角が存在し、一定時間(キケン度MAXであれば8秒間)ごとに湧き方角が切り替わる。同じ方角が連続することはない。「方面」「方向」も文脈次第で同義。 |
【スポナー】 | シャケが出現するポイント。湧き位置。出現位置。それぞれの湧き方角の水中に3~5個程度のスポナーが散在する。 |
【カゴ】 | イクラコンテナ。 |
【寄せる】 | 敵をカゴに近づける。誘導する。 |
【逆誘導】 | 敵がカゴから離れること。 |
【ベタ付け】 | 敵をカゴのすぐそばまでべったり寄せること。「ビタ付け」派もいる。 |
【イクラ】 | 金イクラのこと。なお、敵を攻撃したときに獲得できる通常のイクラのことは「赤イクラ」と呼び分ける。 |
【回収】 | イクラを拾って納品すること。 |
【タゲ】 | ターゲット。狙い。敵に狙われることを「タゲられる」「タゲを取る」などと言う。「敵に狙われたアルバイター」そのものを指して「タゲ」と呼ぶことも多い。 |
【1投距離】 | イクラ投げ1回でカゴに届く距離のことで、約4ライン。「1投範囲」「1投位置」「1投レンジ」などの言い方もある。 |
【1投イクラ】 | 1投距離にあるイクラ。 |
【ライン】 | 距離の単位。試射場、ロビー、クマサン商会控え室などに引いてあるライン何本分かで数える。たとえば、わかばシューターの有効射程は2.2ライン。なお、本稿では用いないが、距離の単位には「m」「DU」もある。1ライン=5m=50DU。 |
【直納品】 | イクラ投げを使わずにカゴに近づいて直接納品すること。 |
【投直】 | なげちょく。1回イクラ投げで納品し、空いた背中でイクラを1個背負ってカゴに戻り直納品する回収方法。1サイクルで2個納品できる。2~3ラインに溜まったイクラを回収するのに適している。 |
【投投直】 | なげなげちょく。2回イクラ投げで納品し、空いた背中でイクラを1個背負ってカゴに戻り直納品する回収方法。1サイクルで3個納品できる。4~5ラインに溜まったイクラを回収するのに適している。 |
【ホスト】 | 通信の親機。1P。イクラの取得などにラグがない。 |
【ゲスト】 | 通信の子機。2~4P。イクラの取得などにラグがある。 |
【F】 | フレーム。時間の単位。1F=1/60秒であり、60F=1秒。1秒間に60枚の絵が使われているパラパラ漫画を想像すればよい。 |
【ウマイクラ】 | カゴに近いイクラ。厳密な定義はないが、おおよそカゴから2ラインか3ラインまでのイクラ。 |
【マズイクラ】 | カゴから遠いイクラ。こちらも厳密な定義はない。距離を明確に示したい場合は「1投イクラ」「2投イクラ」などと言う。 |
【轢く】 | ひく。ローラーの塗り進み(コロコロ)やシェルターのガードでシャケを攻撃すること。 |
【SP】 | スペシャルウェポンの略。SPを発動した瞬間にインクが満タンになる。 |
【インクロック】 | メインウェポンやサブウェポンを使ったあとの、インクが回復しない時間。長さはブキによって異なる。 |
【フルチャ】 | フルチャージ。チャージャーなどで、最大までチャージすること。 |
【ノンチャ】 | ノンチャージ。チャージャーなどで、チャージせずに撃つこと。チャージャーでノンチャを連射することは、その効果音から「パスパス」「パシュパシュ」などと表現されることがある。 |
【半チャ】 | 半端なチャージ。ノンチャでもフルチャでもない中途半端なチャージを指す。 |
【時】 | チャージ量の単位。チャージ量を示すサークルを時計に見立てたもので、たとえば6時チャージは50%チャージを意味する。 |
【湧き上限】 | 敵がステージ上に同時に存在できる数の上限。たとえば、グリルはステージ上に同時に2匹までしか出現できない。また、昼ウェーブの同種のオオモノシャケは3匹までしか出現できない。 |
【DPS】 | Damage Per Secondの略で、1秒あたりのダメージ。ブキの火力(攻撃力)の高さを示す指標になる。 |
基礎データ
〈グリル発進〉で登場するシャケの基礎データを記す。
グリル
- HP2200。
- 特定のアルバイターを狙って最短経路で追いかけ続ける。
- タゲ(狙っているアルバイター)に対して赤い線を出す。
- 基本的にタゲが死ぬまで執念深くタゲを追いかけ続けるが、いくつかの条件で狙いを変える。
- タゲがリフトに乗ったり、リフトの上空を通過したりする。
- タゲが使っていたジェッパが終わる。
- ただし、スタン中はタゲが変わらない。
- 基本的に段差を昇降することはない。
- 移動速度が高すぎるせいで勢い余って段差を突っ切ることはある。
- キケン度が高くなるにつれて移動速度が上がる。キケン度MAXにおける最高速は、少なくとも中量級ブキのイカ移動速度を上回る。
- 移動速度が高すぎるせいで勢い余って段差を突っ切ることはある。
- 方向転換するときは移動を止める。
- 一部の地形で移動が著しく遅くなることがある。
- 400.1ダメージを受けるとスタンする。(移動を停止して弱点を全方向に出す)
- スタンは5秒間継続する。
- 5秒経過するとスタン状態が解除され、再び400.1ダメージを受けるまで移動し続ける。(HP自体は回復しない)
- キケン度MAXでは、残り90秒まではグリルの湧き上限は1匹であり、残り90秒を切ると2匹に増える。
- 1匹目を放置した場合、残り86.48秒(90-3.52秒)に2匹目のグリルが出現する。
- 死んでから約3.57秒後にリスポーンする。
- 以下、特に興味のある読者以外は読み飛ばしてよい。
- 検証したが、正確なリスポーン時間はわからなかった。グリルを撃破して画面にブラーエフェクトが発生した瞬間を0Fとして、おおよそ213~215F目に次のグリルの赤い線が描画されるように見えた。グリルのリスポーン時間については不明だが、少なくとも赤い線が表示されるフレームには毎度差があると思われた。また、赤い線が瞬間表示ではなくフェードイン表示のときがあるが、原因は不明。
- 「リスポーンに関して、スポナーの決定自体は3.07秒で完了するが、実際に出現するまで約0.5秒間の待機時間がある」と解釈したほうが実際の現象をよりよく説明できる可能性がある。
- 1匹目を残り95.10秒に倒した場合、2匹目が残り91.53秒に同じ方角から湧いた。
- 1匹目を残り95.05秒に倒した場合、2匹目が残り91.48秒に次の方角から湧いた。
- 2匹のグリルを残り62.23秒に同時に倒した場合、残り58.67秒に3匹目が、残り55.62秒に4匹目が湧いた。(2-3匹目間は3.56秒、3-4匹目間は3.05秒)
- 1匹目を残り90.72秒に倒した場合、2匹目が87.15秒、3匹目が84.08秒に出現した。(1-2匹目間は3.57秒、2-3匹目間は3.07秒)
- 以下、特に興味のある読者以外は読み飛ばしてよい。
- シャワー部分の攻撃力は500ダメージ。
- 当然アルバイターがグリルのシャワーに触れると即死する。
- ナイスダマでアーマー(推定耐久値470)をまとっている場合は1発耐える。
- ボムがグリルのシャワーに当たると即起爆する。
- スタン前は、即起爆によって弱点に近爆風(180ダメージ)が入ることはない(少なくともあてにすべきではない)と思われる。
- スタン中は、即起爆によって弱点に近爆風を当てることができる。また、爆風が多重ヒットする現象が確認されているが(参考資料)、私の認識ではこれは稀な現象であり、確実に再現する方法は見つかっていない。
- メインウェポンの弾はグリルのシャワーをすり抜ける。
- グリルのシャワーの内部を撃ってコジャケを処理することも可能。
- 当然アルバイターがグリルのシャワーに触れると即死する。
コジャケ
- HP40。
- 攻撃力は25ダメージ。
- グリルのシャワー内部から30Fに1匹のペースで湧く。
- 最も近いアルバイターを狙って追いかける。
- グリルとは異なり、段差を降りることができる。
- キケン度MAXにおけるザコシャケの湧き上限は残り28秒以前が26匹、残り28秒以後が32匹である。(参考資料)
- したがって理論上は、2匹のグリルを完全に放置した場合「コジャケが24匹湧き、それで湧きが止まったあと、残り28秒を切ると追加で6匹湧く」。
- タゲの更新頻度は2秒ごとと考えられている。(参考資料)
- したがって、コジャケのタゲを確実に取りたい場合は2秒以上自分がコジャケに一番近い場所にいる必要がある。
グリルを倒す位置
遠くで倒す vs 寄せる
〈グリル発進〉では、1ウェーブで出現するグリルの数が制限されていない。すなわち、グリルを速く倒せば倒すほど多くのグリルを出現させることができる。したがって、イクラの出現数を増やすためには可能な限り速く(=遠くで)グリルを倒すのがよい。
しかしもちろん、グリルを遠くで倒すとイクラの回収が大変になる。もし遠くにイクラを作りすぎてしまうと、結局イクラを回収しきれなかったり、無理に回収しようとして死んでしまったり、死ななかったとしてもグリルの処理効率を損なってしまったりする。
このように、速く倒したい理由と寄せたい理由がそれぞれある。両者のちょうどよい塩梅を探るのが〈グリル発進〉では重要だ。
まず、そのウェーブで最初に湧いたグリルは無条件で可能な限り速く倒したい。〈グリル発進〉の仕様として、キケン度333%であれば最初の10秒間はグリルの湧き上限が1匹となっている。この時間帯は明らかに暇であるため、グリルをどれだけ遠くで倒してもまったく問題がない。したがって、タゲが誰かに関係なくすべてのアルバイターがグリルに突っ込み、可能な限り速くグリルを倒すことが求められる。倒す場所は問わない。2投距離でもまったく問題ない。
2匹目のグリルは少なくとも1投位置までは寄せるのが安牌だ。なお、1匹目を残り95秒までに(つまり左上の残り秒数の表示が96であるうちに)撃破できた場合、2匹目のグリルも同じ方角から湧く。この場合、2匹目も2投位置で処理してよい(参考動画)。このとき、1匹目のグリルのイクラをカゴに納品することより、2匹目のグリルを倒してそのイクラを投げることに注力したい。
残り90秒を切ると、グリルの湧き上限が2匹になる。ここからはグリルを遠くで倒し続けると確実に納品が追いつかないため、ある程度寄せる必要が出てくる。具体的に言うと、カゴから3ラインほどの位置までは寄せるのが安牌だ(もちろんステージや湧きにもよる)。グリルを寄せることで、納品に要する時間を短縮でき、グリルの出現ペースも落とせて、イクラがまとまる=アルバイターの位置もまとまることで味方の援護も受けやすくなるため、二重三重に状況が楽になる。
処理位置の指針
以上の議論から「回収が追いついているならグリルを増やすためになるべく遠くで倒しましょう。余裕がなければ寄せましょう」という指針が生まれる。「回収が追いつくぎりぎり遠くで倒しましょう」「納品するイクラが常にある状態を維持しましょう」などと言い換えることもできる。しかし、この指針はまだ具体性に欠けている。これから経験を積んでいく新人アルバイターがいきなりこの通りに動くのは難しいだろう。そこで、この指針をもう少し具体的にできないか考えてみよう。
たとえばこういうのはどうか。「1投イクラがないなら作れ。あるなら作るな(寄せろ)」。グリルが来た時点でもう1投イクラがないなら、回収が追いついているので、遠くで倒してもいい。グリルが来た時点ですでに1投イクラがあるなら、回収が追いついていないので、寄せるべきだ……という意味を内包した、具体的な指針となった。ただし、指針をこのように具体的にしてしまうと、本来状況に応じて融通をきかせるべき場面で融通をきかせられなくなることがあるので、良し悪しがある。ステージに応じて「1投イクラがないなら」を「1投イクラが〇個以下なら」に変えて数を調整してみてもよい。
数値で考える
回収にどれだけ余裕ができるかどうかは「グリルの到着時間(スポナーの遠さ、どこまで寄せるか)」「グリルの処理時間」「コジャケの処理時間」で決まる。
たとえば、グリルが来るのに7秒、グリルの処理に2.5秒かかるとすると、そこにグリルのリスポーン時間の3.5秒を足して、グリル1匹あたりの処理サイクルは7+2.5+3.5=13秒となる。ただし残り90秒を過ぎてからグリルは2匹体制で代わる代わるアルバイターを襲ってくるため、アルバイター側がグリル1匹に対して使える時間はその半分、すなわち13÷2=6.5秒だ。
6.5秒のうちグリル処理に2.5秒、コジャケ処理に1秒かかるとすれば、納品に使える時間は6.5-2.5-1=3秒となる。3秒で移動できる距離はざっくり6ラインで、すなわち3ライン分の距離を1往復できる。したがってこの場合、カゴから3ラインの位置でグリルを倒せばちょうど良さそうな感じがする。
ここで、回収の余裕が増える条件には何があるかを考えてみると、「グリルが遠くのスポナーから湧く」「グリルをもっと寄せる」「グリルの処理時間を短縮する」「コジャケの処理時間を短縮する」などがあることがわかる。「グリルが遠くのスポナーから湧く」は運要素ではあるが、影響力が大きく決して無視できない。
役割
〈グリル発進〉における役割として、以下の六つを挙げておく。
- グリルの誘導:所定の位置に所定のルートでグリルをおびき寄せる役割。誘導役はタゲ(グリルに狙われたアルバイター)が遂行する。というか、タゲ以外は遂行不可能。
- グリルのスタン:グリルを所定の位置でスタンさせ、一斉射撃の準備をする役割。重要度も難度も高い。主に射程と火力を両立したブキが遂行する。スタン役に人数をかけすぎると納品が不足しやすいため、ひとりで遂行できるのが理想だ。スタン役はタゲじゃないほうがやりやすいが、タゲが誘導しながら自分でグリルをスタンさせられる地形も多い。
- グリルの処理:スタンさせたグリルを撃ってイクラを作る役割。グリルがスタンしてから死ぬまではアルバイター全員でこれに集中するのが理想ではある。しかし実戦的には、ひとりくらいはコジャケ処理に専念する(コジャケに弾が当たる状況なら常にコジャケに優先的に弾を当てる)くらいがちょうどよい場合も多い。
- コジャケの処理:味方を安全にするための役割。グリル処理が終わり次第全員で遂行するが、コジャケ処理に特化したブキが先行して遂行しておくことで、他のブキがほとんどコジャケを意識しなくてよい状況が理想。
- イクラの回収:ゲームの目的そのもの。次のグリルのスタンに関わらないアルバイター全員で遂行したい。
- タマヒロイの処理:イクラを奪い去りそうなタマヒロイを倒す役割。あるいは、遠くのイクラを運んでくれたタマヒロイをカゴ横で倒す役割。長射程かつ低火力なブキが適している。
なお、ひとりのアルバイターが複数の役割を同時に遂行することもあれば、ひとつの役割に専念することもある。複数人で協力するのが理想的な役割もあれば、単独で遂行するのが理想的な役割もある。
グリルの誘導
グリルの誘導は最も重要な役割だ。グリルに狙われたアルバイターは、イクラを作りたい場所にグリルを速やかに誘導することを心がけたい。イクラを作る場所は「なるべく納品しやすく」「グリルの到着が速く」「味方が安全に撃ちやすい」ような場所が望ましい。
ただし、グリルをどこに誘導するかについてリアルタイムで判断することはほとんどなく、ステージごとに大体「この方角から湧いたグリルはここに誘導する」という定石があらかじめ決まっている。基本的にはその定石に従って誘導し、納品の余裕次第で寄せ強度を調節するとよい。定石についてはステージ別立ち回りの項で後述する。
なお、同じ場所にグリルを誘導する場合でも複数のルートが存在することがある。ルートについても同様に定石が決まっているので、原則として定石通りのルートでグリルを誘導することを目指したい。ただし、もしグリルが想定外のルートで寄り始めてしまった場合、大抵の場合は修正を諦めてそのまま寄せてしまったほうがよい。慌てて修正を試みてもうまくいかなかったり、修正できたとしてもかえってグリルの到着が遅れてしまったりする。
ルート分岐があるステージではグリルの位置ずれにも注意したい。このゲームでは敵の位置を同期する仕組みがほとんどないため、各プレイヤーの画面で見えている敵の位置が異なる場合がある。位置ずれを避けるためには、グリルがルートの分岐点に差し掛かる前に余裕をもってタゲが誘導を入れるようにしたい。分岐点に差し掛かる直前に誘導を入れると、自分の画面ではグリルが正規ルートから来ていても、味方の画面では別のルートから来てしまうことがある。
グリルのスタン
グリルをスタンさせる役割は誘導に並んで重要であり、かつ最も難度が高い。グリルがスタンしないことには誰もまともにグリルを撃てず、そのままグリルを放置しておけばタゲが襲われて死んでしまう可能性が高い。かりにタゲが死ななくても、グリルが本来イクラを作るべきだった場所から離れてしまうことで回収の効率が大きく低下する原因になる。スタン役を務めるアルバイターは思考リソースを最優先でスタンに割き、責任感を強く持って仕事に臨みたい。くれぐれも納品などのマルチタスクに色気を出してスタンが遅れることのないように。
スタン役はタゲでないことが好ましい。タゲでないアルバイターはグリルの誘導を気にせず自由に動けるからだ。ただし、ブキや地形次第ではタゲが自分でグリルをスタンさせることもできる。ムニ・エール海洋発電所のように高台やU字路で待ち構えられるステージではこれが非常に容易であり、難破船ドン・ブラコやすじこジャンクション跡のようなL字路でもこれが可能だ(参考動画)。
スタン役は射程と瞬間火力が両立しているブキが好ましい。射程と瞬間火力のどちらかが不足しているブキでは、グリルに400.1ダメージを与え切る前にグリルが過ぎ去ってしまったり、コジャケに襲われて満足に弾を当てられなかったりする。ただし、高台やU字路から一方的にグリルを撃てる地形ではこの問題がある程度解消する。
さらに欲張りを言うと、前述の条件を満たしつつもグリルとコジャケを同時に攻撃できるブキはスタン役に最適だ。高台を利用できる場合を除き、スタン役はグリルにある程度近づかなければならないため、コジャケのタゲをもらいやすい。1匹目のグリルは無事スタンさせられたものの、そのグリルが引き連れてきたコジャケに襲われて2匹目のグリルを満足に撃てない……ということは珍しくない。
スタン役はなるべくコジャケに邪魔されないように、コジャケから可能な限り距離を取りたい。すなわち、高台から撃てるなら高台に立ち、ダメージ減衰が生じないぎりぎり遠くから撃つ。こうすることで、コジャケが味方に行きやすくなる。もし自分に来たとしても襲われるまでに時間を稼げるため、グリルに火力を出しやすくなる。グリルと同じ高さから撃つのは危険なので、原則としてスタン役でやるべきではない。
ホストの場合は400.1ダメージを与えた瞬間にぴたっとグリルが止まるが、ゲストの場合は自分の画面で400.1ダメージを与えてからグリルがスタンするまでにホストと一度通信を挟むため、スタンするまでに少し時間がかかる。したがってラグが大きい環境では、本当にスタンさせたい場所よりもちょっと前で400.1ダメージを与えるようにしたり、グリルの進行方向に立たないようにしたりする工夫が必要になる。
グリルの処理
スタンしたグリルを攻撃してグリルを倒し切る役割。理想論では、グリルがスタンしてから死ぬまで4人全員でグリルを攻撃したい。理由はもちろん、それが一番速くグリルを倒せるから。グリルを速く倒すほどグリルすなわちイクラの出現数が増えるし、コジャケの出現数が減るし、スムーズにイクラ回収に移行できる。良いことずくめだ。
しかし、4人全員でグリルを攻撃できない状況も多い。第一に、後続のグリルがすでに迫っている状況では、少なくともひとりは後続のグリルのスタン役を務めねばならない。第二に、これは個人的な経験則だが、4人のうちひとりはコジャケ処理に専念したほうがうまく回ることが多い。この理由は後述する。
グリルの処理役を担うアルバイターは、原則としてグリルを撃破するまで責任を持ってグリルを撃ち続けたい。「自分の負担分は撃ったと思うし、味方がちゃんと撃っていればそろそろ倒せるだろう」「この編成ならスタンから2秒間撃てば倒せるだろう」という思いこみでグリルの撃破を確認せずに撃つのを止めると、まれにグリルが長時間生き残ってしまい、事故につながる恐れがある。たしかにグリルが死んだあとに出した弾はムダになってしまうが、だとしても多少のムダを許容して多めに撃つくらいが実戦ではちょうどよい。シューターなどの連射間隔の短いブキはムダ撃ちのロスが少ないため、特に責任感を強めたい。
ただし、攻撃のサイクルが長くインク管理が難しいブキを扱う場合はグリルに何発撃つか最初から決めておくのもよいと思う。ハイドラントを筆頭に、攻撃1発に1秒以上かかるようなブキはこのような作戦が有効になりうる。特にコジャケ処理に優れるブキは、自分がグリルに撃つ弾を1発分減らしたせいでグリルの撃破が多少遅くなったとしても、その分コジャケが速く処理できるのでロスが少ない。この作戦を使用する場合は、作戦をあらかじめ味方に共有しておくとよいかもしれない。
グリルのキルタイムを速めるための技術のひとつに予約曲射がある。スロッシャーやシューター、シェルターなどで使用可能。グリルがスタンする前にあらかじめ上向きにインクショットを放っておき、グリルがスタンしたあとに時間差で降ってきたインクショットが当たるようにする。そして、グリルがスタンしたあとは普通に前を向いて撃つ。こうすることで弾の時間的な密度が高まり、グリルのキルタイムが速まる。
また、べつに曲射しなくても、単に「そろそろグリルがスタンするだろう」という読みでスタンする前からグリルに弾を撃っておくのも有効だ。スタンする前にグリルに当たった弾は数発ムダになってしまうが、スタン前から弾を撃っておくことで確実にスタン後に最速で弾を当て始めることが可能だ。スタンを目視で確認してから弾を撃ち始めるのでは、人間の反応速度や弾速の影響で確実にコンマ数秒の遅れが出る。
また、キルタイムを速めるうえでボムを使うのも有効な技術だ。グリルがスタンしたあとにグリルのシャワーにボムをぶつけることで、グリルにボム近爆風の180ダメージを与えられる。わかばシューターで検証した限りでは、射撃中にRボタンを押してボムを投げた場合、射撃が24F中断されるようだった。射撃を24F中断する代わりに180ダメージを与えるわけだから、ボムのDPSは180÷24×60=450。したがって、DPS450未満のブキはグリルにボムをぶつけることで火力が上がる。また、DPS450以上のブキであっても、ボムをぶつけた瞬間だけを切り取れば火力が上がっていると言える場合がある。
ただし、ボムを投げることにはリスクもある。すなわち、グリルの弱点部分やコジャケにボムが弾かれてボムがムダになったり、ボムを投げたせいでインクがなくなりかえって火力を損なったりすることがある。確実にボムをぶつけたいなら、グリルから離れておいてコジャケのタゲを味方に押し付けるとよい。コジャケを味方に向かわせて、自分はコジャケが出てこない方向からグリルにボムをぶつけると確実だ。
ボムのもうひとつの使い方として予約天空ボムを挙げておく。これはようするにボムの予約曲射だ。グリルがスタンするであろう場所の少し横に着地するようにボムを放り投げる。こちらはシャワーぶち当てボムとは異なりメインウェポンの射撃を中断する必要がないため、メインウェポンの火力を落とさずに済む。ただし、きちんと当てるのは難しい。
コジャケの処理
グリルが引き連れてきたコジャケを処理する役割。コジャケはグリルのスタンや処理、イクラ回収など他のすべての作業を邪魔してくるため、コジャケを処理することは見かけよりもかなり重要だ。
先述の通り、4人のうちひとりはコジャケ処理に専念していいと私は考えている。理想論ではグリルがスタンしてから死ぬまで全員でグリルを撃つのがよいが、実戦でそれを実行した場合グリルを倒したあとにコジャケに襲われる時間が長くなり、結局作業効率が落ちてしまうことが多い。たとえば、先頭のグリルはスムーズに倒せても後続のグリルに苦戦してしまったり、イクラ回収への移行が遅くなって納品がまったく追いつかなくなったりする。
考えてみよう。誰かひとりがコジャケに襲われることでグリルを撃てなくなった場合、当然グリルへの攻撃力はひとり分低下する。ふたりが襲われればふたり分低下する。全員がコジャケに手を取られればグリルへの攻撃力はゼロになる。しかし最初からひとりがコジャケ処理に専念しておけば、このようなリスクを未然に防げる。また、すでに湧いてしまったコジャケはどうせ誰かがいつか処理しなければいけないのだから、その仕事を先取りするのは見かけほど損ではない。
コジャケの処理役には、当然ながらコジャケの処理速度が速いブキが適している。また、チーム全体でグリルへの火力を確保したいことを考えると、グリルの処理速度では劣るブキが望ましい。すなわち、ブラスター系やローラー系、スロッシャー系のような範囲攻撃ブキが該当する他、プロモデラーMGやプライムシューター、ジェットスイーパーのようなコジャケの処理効率に秀でたシューターもコジャケ処理役に向いている。
さらに、一部のブキはグリル処理とコジャケ処理を両立させられる。最もわかりやすいのはスパイガジェットで、展開したカサでコジャケを轢きながらインクショットでグリルを撃てる。この場合、グリルへの火力を維持しながらコジャケも処理できるため、完全にやり得だ。ほかに「ブラスターでグリルの弱点の下側を撃つことでコジャケを同時に処理する」「スロッシャーでグリルを撃ちながら中間に落ちる飛沫でコジャケを処理する」「ローラーの横振りをグリルに当てたあと少しだけコロコロしてコジャケを轢く」などのプレイでグリルとコジャケの同時処理が可能だ。したがって、同時処理が可能なブキはぜひコジャケ処理役を買って出たい。
コジャケを処理するときは、積極的にコジャケに近づくことでタゲを取ることも重要だ。味方にコジャケが行ってしまうと自分がコジャケ処理に専念している意味が薄れてしまうため、すべてのコジャケを自分に引きつけたい。単独で動くことになりがちなスタン役のアルバイターは特にコジャケに襲われやすく、スタン役に向いているブキはコジャケ処理に向いていないことも多いため、スタン役を守るように動くことも検討すべきだ。
インクに余裕があれば、コジャケ処理のためにボムを使うのも有効だ。グリルのシャワーにボムをぶつけた際、爆風がシャワーに遮られてしまい思ったほどコジャケを倒せないことも多いが、そのボムでグリルのとどめを刺した場合はグリルが死ぬことでボムの爆風が広がるようになり、多くのコジャケを倒せる。また、グリルを倒したあとに普通にボムを転がすだけでも格段にコジャケ処理がしやすくなる。ただしボムはインク消費量が多いので、ボムを使うのは盤面を把握してインクが余ると確信した場合だけにしておこう。
イクラの回収
イクラ回収について、〈グリル発進〉特有の知識というものは少ないと考えている。そのため、この節では〈グリル発進〉に限らずイクラ回収に関する一般的な心得を記すことにする。
ウマイクラとマズイクラがどちらも安全に回収可能なとき、基本的にはマズイクラから優先的に回収したい。理由を簡単に言うと、ウマイクラはいつでも拾えるから。しかも、ウマイクラはカゴ横でグリルを撃ちながら同時に納品することもできる。つまり、完全に無料で納品できるチャンスがある。したがって、急いで拾う必要はない。それに対してマズイクラは違う。〈グリル発進〉では次々にグリルが来るため、マズイクラを回収できる時間は非常に短い。マズイクラを拾えるのは「グリルを倒し、そのグリルが引き連れていたコジャケも倒し切ってから、後続のグリルが到達するまでのあいだ」であり、これは非常に短い。したがって、マズイクラが安全に拾える状況では一目散にマズイクラに飛びつく瞬発力がアルバイターには必要だ。ただし、チームでひとりくらいは優先的にウマイクラを片付ける役回りをしてもいい。
ただし、グリルから出た直後のイクラに飛びつく場合、周囲の安全に気を配る必要がある。個人的な経験則では、イクラを回収しているあいだは周囲への注意力が大きく低下する。「最短経路で移動して、最高効率でイクラ投げを使って……」というふうに納品への集中力を高めれば高めるほどイクラにばかり目が行ってしまい、カメラに映っているはずの大量のコジャケや後続のグリルが見えなくなってしまう。いわゆるインビジブルゴリラだ。イクラに飛びつく際には少なくとも後続のグリルが来ていないかどうかには注意を払ったほうがよい。とはいえ「マズイクラに対する瞬発力」と「周囲の安全に対する警戒力」は相反する能力にも思える。これらを両立させられるようになるためには、ひたすら経験を重ねて無意識の力を強化する以外の方法を私は知らない。
わかりやすいイクラ回収チャンスとして湧き方角が変わったタイミングを挙げておく。ずっと右からグリルが来ていたので右にイクラが溜まっている、そして次のグリルは左から来ている……このような状況では右がしばらく安全になることがわかるため、右のイクラ回収に精を出したい。
なお、味方3人が右のマズイクラ回収に精を出している状況で自分が単独で左の遠くでグリルをスタンさせる動きは、味方の援護を受けられなくなる可能性があるので注意したい。味方が全員右のマズイクラ回収に専念しているなら左のグリルを深く引っ張ったほうがいいかもしれないし、逆に味方が左のグリルを遠くで止めようとしているならマズイクラ回収はひとりに任せてグリルに火力を出すべきかもしれない。
イクラ回収においてイクラ投げは重要な動きだが、使用には注意が必要だ。イクラ投げは70%という大量のインクを使用する行為であり、イクラ投げの直後は必然的にインクが30%以下になる。これに関して、イクラ投げでインクをゼロにするのは極力避けたほうがよい。インクがゼロだと、敵インクに少し足を取られただけでそのままハメ殺されてしまう危険性がある。インクがゼロの状態でメインウェポンを撃とうとしても「インク不足!」と表示されるばかりで弾が出ず、足元塗りも確保できず、そのくせインクロックは発生するのでインクも回復せず……で最悪な状況になる。したがって、少なくともメインウェポンを1発撃てるだけのインクを余計に回復してからイクラ投げするようにしたい。インクぎりぎりのイクラ投げをするのは、安全を確かめられている場合や、敵が迫っておりインクを回復している余裕がない場合になるべく限りたい。
カゴから2ライン程度の位置にある複数のウマイクラを回収する場合、イクラ投げを使わないほうがいいことがある。イクラ投げを使って〈投直〉で納品したほうがコンマ数秒速く納品できる……くらいの差しかないなら、多少回収が遅くなってもいいから慣性キャンセルを使って直納品を繰り返すことでインク満タンの状態を維持したほうが実戦では強い。〈投直〉のほうがちょっと速いからといってイクラ投げしていると「ちょうどイクラを投げたあとにグリルが到達し、グリルを撃ちたいのにすぐにインクが切れて撃てなくなり、全員の想定よりもグリルが長生きしてしまい、それがきっかけですべてが崩壊」というシナリオも考えられる。
そもそもイクラ投げをしたほうが速いのかどうか、イクラ投げを使うべきなのかどうかがとっさに判断できない場合は、次のルーチンに従うとよい。
- イクラを持っていないなら、最短のイクラに向かって移動せよ。
- イクラを持ったあと、
- イクラ投げできるインクがあるなら、イクラ投げせよ。
- イクラ投げできるインクがないもしくは不明なら、カゴに移動して直納品せよ。
このルーチンに従うと、最高効率で回収できるかどうかはともかく、少なくとも「止まってインク回復する」という弱い動きを避けることができる。なぜ止まってインク回復する動きが弱いのかというと、移動(=イクラの運搬)とインク回復は本来両立可能なのに、そのうち片方の権利をむざむざ捨てていることになるからだ。
イクラ投げの際には不要なジャンプを控えることも重要だ。たしかにジャンプしたほうがイクラ投げの飛距離が伸びるが、滞空時間が増すことで隙を晒す時間が長くなり、インク回復も遅くなる。ジャンプしなくてもイクラがカゴに届くならジャンプは完全にムダだ。また、ジャンプしないとぎりぎりカゴに届かないような場合ですらジャンプしないほうがよい(カゴ横にイクラを届けるだけでよい)場合が少なくない。前述の通り、ウマイクラは安全に回収できるタイミングが多く、なんなら無料で納品できるチャンスもある。したがって、マズイクラをジャンプ投げでカゴに入れることよりも、ジャンプせずにとにかく速くイクラ投げを済ませて危険地帯のイクラを減らす&自分がカゴに戻ることを優先したほうが有利な場合がある。
イクラ投げは周囲に100ダメージを与えられる。つまりコジャケを一撃で葬れるため、イクラ投げを使う場合はコジャケを巻き込めるとおトクだ。ジャンプやイカロールでコジャケの群れに飛び込んでイクラを投げることでより多くのコジャケを巻き込む技術も一応存在するが、リスクが高いので使用には注意が必要。また、ゲストの場合はイクラに触れてからイクラ投げが可能になるまでホストより若干時間がかかるため、イクラ投げの爆風をあてにしていると危険な場合がある。
理想論では強引にイクラを取ってイクラ投げでコジャケを処理するのが最善と思われるような状況であっても、実戦ではメインウェポンで愚直に手前のコジャケを倒し切ってからイクラを回収するほうがよい場合がある。愚直に手前から処理するのも全然悪いこととは私は思わない。ただ、イクラ投げでコジャケを倒す選択肢自体は忘れないようにしたい。
コラム
チームで連携する
乱獲は4人で行う遊びだ。支給ブキも立ち位置も視界も違えば、知識も思想も人間能力も違う4人のアルバイターが集まって、チーム全体がひとつの意思で動いているかのように美しく連携する……というのはこの上なく難しい。連携の難しさは、乱獲の難しさのうち相当な割合を占めていると思う。
〈グリル発進〉では特に「誰がスタンさせるのか」と「どこでスタンさせるのか」で認識の齟齬が生じがちで、これらの認識が共有されていないと事故につながる。たとえば、以下のような事例がある。
- 誰も自分のことをスタン役と思っておらず、グリルが止まらなかった。
- スタン役にタゲが付いており、本来なら他のアルバイターがスタン役を代わらなくてはならない状況だったが、誰も自分を『2番目のスタン役』と思っていなかったのでグリルが止まらなかった。
- グリルを奥で倒すべきだと思ったので単独で止めにいったが、味方は寄せてよいと思っていたため援護を得られなかった。そのためグリルを止められなかったり、コジャケに襲われて火力を出せなかったり、グリルの処理が大幅に遅れたりした。
- グリルを深く寄せるつもりだったが、味方は遠くで止めてくれると思っており、味方がグリルに轢き殺された。
- グリルをルートAで寄せると思っていたのでルートAなら死なない立ち位置にいたが、実際にはルートBで寄ってしまったため、グリルに轢き殺された。
……などなど。特にグリルのスタン位置に関してはリアルタイムで判断しなければならないことも多く、事前の取り決めには限界がある。もし通話しているなら、グリルのスタン位置に関して逐一報告を入れると連携の強化につながるだろう。
タマヒロイが運んでくれる場所で倒す
本稿ではここまでほとんどタマヒロイに触れてこなかったが、タマヒロイがイクラをカゴまで運んでくれる位置にいるグリルはもちろん速く倒してよい。おおよそ残り60秒までに作ったイクラ8個はタマヒロイによる運搬が間に合うので、残り60秒まではタマヒロイ前提の処理が許容される。
この戦略を採用する場合、序盤の意識は処理に振り切ったほうがよいと思っている。納品を無視して処理に全力を出せるのがこの戦略の最も優れた点なので、中途半端に納品に意識を割くことでグリルの処理速度を落としてしまったらもったいない。
すでにタマヒロイが到着しているところでさらにグリルを倒す場合、グリルを撃つときにタマヒロイを巻き込まないように細心の注意を払いたい。範囲攻撃ブキやSPはほとんど使えないと思ったほうがよいかもしれない。
同じ場所でグリルを2匹倒して1か所に10個のイクラを作った場合、タマヒロイはイクラを8個までしか持てないため、そのままだとイクラが2個余ってしまう。この場合は自分たちでイクラを2個以上運んでおくとよい。また、この手間を省くために、そもそもグリルを倒す位置を少しずらすという手もある。グリルを倒す位置をずらせば、タマヒロイが2匹編成で来てくれる可能性がある。
終盤はただでさえグリルとコジャケで忙しいところにタマヒロイまで来るようになるため、マンパワーを少しもムダにしたくない。こんなときはタマヒロイを見る責任者を決めておくのが有効だ。複数人でタマヒロイを見るのは多くの場合ムダなので、通話している場合は「俺が見る」「〇〇(ブキの名前)に任せたい」などと宣言できるとよい。タマヒロイの責任者はタマヒロイを確実に倒すことを最優先に考え、倒す位置についてもカゴに最も近い場所になるようにこだわりたい。
タマヒロイ前提の破壊戦術を完璧に決めてみせたスーパープレイを以下に紹介する。(プレイヤー:あーずーさん)
1匹ずつ倒す vs 2匹まとめて倒す
グリルの出現ペースを上げたい場合、グリルを1匹ずつ順に倒すほうがよい。グリルを2匹同時に倒しても次のグリルが2匹同時に湧くわけではなく、あくまで時間を空けて1匹ずつ湧くため、グリルを2匹同時に倒してしまうと出現ペースが損なわれる。
これがどういうことがわかりにくい場合、たとえ話として、パンが1枚ずつしか焼けないトースター1台で調理しているカフェの厨房を想像しよう。このトースターは3分でパンを焼くことができる。すると、客からトーストを2枚同時(時間差3分以内)に注文されるより、3分以上の間隔をあけて1枚ずつ注文されるほうが、スムーズにトーストを提供できることがわかるだろう。
したがって、余裕があるならグリルを来た順に1匹ずつ倒すべきだ。しかしここで問題がある。グリルを1匹ずつ倒していくと、納品時間が取れなくなる恐れがあるのだ。すなわち、グリルAの処理⇒グリルAが連れてきたコジャケの処理⇒グリルBの処理⇒グリルBが連れてきたコジャケの処理⇒……というふうにグリル処理とコジャケ処理のループが生じることで、いつまでも納品時間を差し込めない危険性がある。これはスポナーがカゴに近い満潮で特に問題になる。
この問題への解答をいくつか考えてみよう。まずひとつ、「割り切る」という解答が考えられる。つまりこうだ。「納品時間が取れない?上等だ!このまま手を緩めずに全力で処理しよう。どうせ確率的に、いつかは遠くのスポナーからグリルが湧くだろう。納品はそのときすればいい。もしウェーブの終わりまでこのループが続くならそれはしかたない」。これもひとつの正解だ。
ほかには「フィジカルを強化する」という解答がある。つまりこうだ。「納品時間が取れないなんていうのは、フィジカルが足りていない言い訳さ。そもそもグリルがスタンしてから死ぬまでに時間がかかりすぎなんじゃない?この編成ならもうコンマ数秒早く倒せるはずでしょ。それにグリルを倒してからイクラにダッシュするまでの反応速度も足りていないし、コジャケ処理も遅い、それでいてイクラ回収から離脱するのは早すぎる。本当はもっと隙間納品できるはずなんだよ」。実に強者のセリフという感じだが、これも正解のひとつだと思う。
思い返してみると、バイトシナリオで〈グリル発進〉を遊んでいるとき、ブキは何も変わっていないはずなのに、なぜかグリルの撃破がだんだん速くなることがある。もともとチャージャーが3発撃っていたところで、なぜか2発でグリルが死ぬようになっている。不思議な現象だが、実際にこういうことがある。みんながちゃんと弾を当てればもっと速くグリルを倒せるんだ、そうすればあとひとつ隙間納品できるはずなんだ……という考えはあながち間違いではないと思う。
また「フィジカルを強化する」に関連して「SPを使う」という解答もある。SPを使うことは、フィジカルを疑似的に強化しているのと同じことだ。
最後に、マッチポンプ的な議論になって申し訳ないが、「グリルを2匹同時に倒す」という解答を挙げておく。そもそもグリルを1匹ずつ倒すから忙しくなるわけで、これを2匹同時に処理するようにすれば、問題の火種が消えてなくなる。グリルを2匹同時に処理すれば、ただグリルの出現ペースが落ちるだけではなく、タスクがまとまる効果もある。すなわち「グリルAの処理⇒コジャケA群の処理⇒グリルBの処理⇒コジャケB群の処理」だったタスクが「グリルABの処理⇒コジャケAB群の処理」にまとまるため、処理効率が大きく改善される。タスクがまとまることでタスクの切り替えコストがなくなるし、敵がまとまることで範囲攻撃ブキやSPの価値が倍増する。これにより、納品時間を差し込む余裕が生まれる。
この「グリルを2匹同時に倒す」技術についてより実践的に解説する。この技術を使うには、2匹のグリルがなるべく間隔を開けずに同じ方角から来ている状況が望ましい。このとき、まず先行しているグリルをスタンさせる。ここで、普通ならスタンさせた1匹目のグリルをそのまま撃破するまで撃ち続けるところだ。しかしあえて手加減を加え、2匹目のグリルに弾が当たるようになった時点で2匹目のグリルに狙いを移す。そして2匹のグリルを同じ位置でスタンさせ、範囲攻撃ブキやSPを生かして2匹のグリルをなるべく同時に倒す。これにより、劇的に納品時間が取れるようになる。
2匹のグリルの寄せ強度をずらす
ずっと同じ場所でグリルを倒していると、当然ながら同じ場所にイクラが溜まる。そしてイクラが溜まった場所にまたグリルが重なり、ずっとイクラに触れられない……という悪循環が生じることがある。このような場合、あえてグリルの位置をずらすという技術がある。つまり、1匹目のグリルを若干深めに寄せて倒し、2匹目のグリルは若干遠くでスタンさせる。すると、1匹目のグリルのイクラを拾いながら2匹目のグリルを攻撃することが可能になる。
スタン前の削り
グリルは400.1ダメージを受けるとスタンする。逆に言うと、400ダメージまでならスタンさせずに削っておける。事前に400ダメージの削りを入れておけば、本来HP2200のグリルを実質HP1800として処理できるため、ぜひ削りを入れておくべきである。
しかし読者はこう思うかもしれない。「『ぜひ削りを入れておくべきである』も何も、そもそもスタンさせるために攻撃すること自体が削りに等しいだろう。お前は何を言っているんだ?」と。これについて、次の状況を考えてみよう。
たとえば、支給ブキにトライストリンガーが含まれているとする。トライストリンガーのフルチャージショットは150×3=450ダメージだ。つまり、トライストリンガーはグリルを一撃でスタンさせられるため、グリルのスタン役にはうってつけだ。しかしだからといって、スタンさせたい場所にグリルが来た時点で初めてトライストリンガーが一撃を入れてグリルをスタンさせた場合、その時点のグリルの残り体力は2200-450=1750だ。しかしよく考えてみれば、他の手段で400ダメージ削ったうえでトライストリンガーが一撃を入れれば、同じタイミングでグリルの体力が2200-400-450=1350に減っていたはずだ。とどのつまり、一撃でグリルをスタンさせられるブキがあるからといってその一撃だけでグリルをスタンさせるのは、削りの権利を放棄しているのと同じということだ。
したがって、理想論では、他のブキが削りを入れたうえで高火力ブキの一撃をお見舞いするのが効率的だ。ただし実戦では削る余裕がないことも多いので、あくまで参考程度に留めてほしい。
湧き方角の制御
昼ウェーブと同様に〈グリル発進〉にも湧き方角という概念がある。キケン度MAXでは8秒ごとに湧き方角が切り替わり、その8秒の中では同じ方角からグリルが湧く。この仕様を活用した技術がいくつか存在するので紹介する。
たとえば、現在の湧き方角がおいしくない(スポナーが全体的に遠い)場合は、あえて目の前のグリルを倒すのを遅らせて、湧き方角が変わってから次のグリルに湧いてもらうという択が存在する。
逆に、現在の湧き方角がおいしい(スポナーが全体的に近い)場合は、目の前のグリルを迅速に倒して、湧き方角が変わる前に次のグリルに湧いてもらうという択が存在する。
初動のグリル予知
スプラトゥーン2のサーモンランでは、ウェーブが始まる3秒前からグリルの移動音を聞き取れた。そのため、ウェーブが始まる前に、イベントが〈グリル発進〉であることはおろかグリルの湧き位置まで予知することが可能だった。しかしこの仕様はおそらく、スプラトゥーン3のサーモンランNEXT WAVEではなくなったと思われる。
最後の2匹のグリルは寄せる?
グリルを少し遠くで速めに倒す理由は、基本的には「次のグリルに速く湧いてもらうため」だ。しかし、そのウェーブ最後の2匹のグリルについては「次のグリル」なるものが存在しない。したがって、納品できそうな最後の2匹のグリルについてはカゴにベタ付けするとよい……という定石が、スプラトゥーン2のサーモンランには存在した。
しかしサーモンランNEXT WAVEではイクラ投げが使えるため、この定石にどの程度価値が残されているかは不明だ(無価値ではないと思う)。べつにベタ付けしなくても、1投範囲内でグリルが方向転換のために止まるような地点がある場合はそこで倒してよさそうだ。
最後の邪魔するだけグリルの対策
残り数秒で、絶対に処理も納品も間に合わないグリルがカゴに来て、納品の邪魔だけしていくことがある。これは非常に性格の悪いグリルであり、なんならコイツのせいでゼンメツすることもある。
この〈邪魔だけグリル〉の対策として、第一に、タゲがカゴから離れてグリルを逸らすという手がある。もしグリルがカゴに来たら4人全員が納品不能に陥るが、ひとりがカゴから離れれば3人が自由に動ける。こう考えれば、これは大いにやる価値がある。
第二に、カゴに近づく前にスタンさせてしまう手もある。移動コストを支払わずにグリルを正面からスタンさせられるクマサン印のスロッシャーやメガホンレーザー5.1chで特に実用的な手だ。
第三に、そもそもその〈邪魔だけグリル〉の前世のグリルを倒すのを遅らせるという手がある。たとえば、残り10秒で「いま目の前のグリルを倒したとして、その来世のグリルはどうせ納品が間に合わないし、なんなら邪魔だけしてくるだろうな」と思ったら、倒すのをちょっと遅らせるわけだ。ただ、実戦ではそこまで気が回らないことが多い。
ブキ別立ち回り
〈グリル発進〉における各ブキやSPの主たる使い方を説明する。なお、おぼろげな記憶を頼りに主観で書いているため、話半分で読んでほしい。また、ブキの役割はタゲの有無、位置状況、編成などのいろんな条件で変わりうることもご承知いただきたい。
なお外部サイトになるが、ブキのデータや使い方に関しては「Splatoon3 – スプラトゥーン3 攻略&検証 Wiki*」の内容が詳しく、アルバイター必読となっている。Wiki内の関連ページのリンクを貼っておく。
- サーモンラン/バイト専用ブキの補正
- サーモンラン/ブキ別立ち回り
- サーモンラン/ブキ別立ち回り/サブ・スペシャル・イクラ投げ
- サーモンラン/シャケの種類/グリル
- サーモンラン/シャケの種類/ザコシャケ
シューター
- シューター特有の硬直の少なさ、機動力の高さはイクラ回収役に最適。
- ほかのブキ種に比べてボムを気軽に出せる。
- コジャケを1匹8F以下で倒せるシューターはコジャケ処理役になれる。(ボールド/モデラー/プライム/ジェット/L3/ボトル)
- 中射程以上のシューターはスタン役になれる。長射程であればもっとよい。ただしスペースシューターは怪しい。
- 基本的には高台や少し離れた場所からグリルを撃ちつつ、コジャケが寄ってきたらそのまま自動的にコジャケに弾が当たるような位置取りをすると操作が楽。
- 射撃時ヒト移動速度が速いシューターの場合は限界までコジャケをよけながら撃ってもいいが、味方を巻き込まないように注意したい。
- ボールドマーカー:グリル処理もコジャケ処理も極めて速いが、射程がないのでスタン役にはなれない。基本的にはグリルに火力を出してグリルを瞬殺し、そのあとにコジャケを一掃できるのが理想。
- .96ガロン:コジャケ処理効率が悪く、射撃時ヒト移動速度も遅いのでとにかくコジャケに弱い。コジャケに狙われない位置でグリルに火力を出すことを意識したい。
マニューバー
- やることは基本的にシューターと同じ。
- グリルが来る前にスライドを済ませておきたい。
- 味方に弾を吸われにくい場所にスライドできるとよい。
- カゴやカベに向かってスライドすることで「その場スライド」も可能。
ブラスター
- コジャケ処理役を務めたい。
- グリルの弱点のなるべく下側を撃つことで、グリルを攻撃しながらその周囲のコジャケを倒せる。
- 爆風が大きいブラスターはコジャケに対して特に強く出られるので、グリルに近づいてすべてのコジャケのタゲを引き受けるようにしたい。(ノヴァ/クラブラ/Sブラ)
ローラー・フデ
- コジャケ処理役になれる。
- いずれのブキもコジャケを一撃で轢ける。
- 「グリルの弱点に横振りを当てて、少し轢く」を繰り返すことでグリル処理とコジャケ処理を両立可能。ただし轢いた分だけグリルへの火力が落ちるので、コジャケ処理に余裕がありそうなら横振り連打するとよい。グリルを倒したあとはコジャケを倒し切るまで轢き続けよう。
- 一部のステージでは高台からグリルの弱点を轢くことが可能。特にダイナモローラーは一瞬でグリルを倒せる。ムニ・エール海洋発電所、シェケナダム、難破船ドン・ブラコなどで狙ってみるのも面面白い
チャージャー
- 射程・瞬間火力・精度・弾速のすべてを備えており、スタン役としての適性が非常に高い。
- スタン役をしない場合でも、遠くから削りだけ手伝うことが可能。
- 敵が来る前にチャージしておき、敵が来たら高火力の弾をぶっ放す……というブキの性質(瞬間火力の高さ)はグリル処理役でも有利だ。R-PEN/5Hがわかりやすい。
- グリルがもうすぐ死にそうなときはノンチャ連打を使うとよい。
- コジャケ適性は絶望的なので、コジャケに狙われない位置で立ち回るのが重要。チャージャーがコジャケをパスパス撃っているような状況は3オペに近く、かなり苦しい。
- 攻撃のためにチャージという予備動作が必要な関係上、イクラ回収の優先度はかなり下げてよい。その分、次のグリルの位置把握に意識を割く。
- リッター4K:一撃でグリルをスタンさせられるのでスタン役になりがちだが、他のブキにスタンしてもらって、スタンした瞬間にフルチャをぶち込むほうが瞬間火力で勝る。(一撃でグリルをスタンさせられるということは、逆に言うと削りを入れられないということだから)
- ソイチューバー:最初の一撃はフルチャを使い、そのあとはノンチャを連打するとよい。
スロッシャー
- 優秀な範囲攻撃を生かしてコジャケ処理役になれる。
- グリルの弱点を直接狙いつつ中間に落ちる飛沫でコジャケを巻き込めるので、グリル処理役も兼ねることができる。
- オーバーフロッシャー:スロッシャー系ではあるが性質はシューターに近い。グリル処理役もコジャケ処理役もそれなりにこなせるが、弾速が遅いためスタン役にはまったく向かない。予約曲射でグリルのキルタイムを底上げしよう。
- スクリュースロッシャー:コジャケの上をかすめるように弾を撃つことで、弱点に直撃を当てつつ渦でコジャケを巻き込める。コジャケに密着されると渦を使うのが難しくなるので、密着されないように。
- エクスプロッシャー:グリルの処理効率が極悪なので、比較的コジャケ処理役に向いている。コジャケ処理にしても大得意というほどではないが、ひたすら地面をぺちぺち撃って味方をコジャケから守る程度の性能はぎりぎりある。ただしインク管理が難しい。インクロックが長いので、中途半端に数発撃ってインク回復してを繰り返すのではなく、一気に撃てるだけ撃って回復できるだけ回復してとやるのがインク面では効率的。射程が長いのでタマヒロイ処理役には最適。
スピナー
- ブキの性質はチャージャー系に似ている。グリルが来る前に力を溜めておき、グリルが来たら一気に力を解放する……というスピナー系の性質は、グリルのスタン役や処理役に向いている。
- コジャケも見ようと思えば見れないではないが、どちらかというとコジャケの処理は味方に押し付けて、自分はなるべくコジャケに狙われにくい位置に立ってグリルに火力を出したい。むしろ、グリルに火力を出してグリルを迅速に倒すことでコジャケの出現数を減らす方向で貢献したい。
- リチャージできるスピナーを除き、基本的にはフルチャで立ち回りたい。2週目のほうがチャージが速いスピナーは特にそうだ。またインクロックの観点からも、1回の射撃でなるべく多くの弾を出すほうがおトクだ。
- ハイドラント:スピナー系で最も極端な性能をしている。「フルチャをグリルに当て続ける」ことだけが唯一にして最大の仕事であり、コジャケ処理や納品は一切しなくてよい。ハイドラントにはいくつか手札があるので、状況を見て使い分けよう。
- 1フルチャをグリル1匹に対して使う:その1匹を倒し終わったらすぐにイカ化して射撃キャンセルし、次のグリルのためにチャージを始める。これはグリル同士の間隔が空いているときに有効な手だが、インク管理が難しい。
- 1フルチャをグリル2匹に対して使う:遅めにフルチャを撃ち始める(1匹目のスタンは味方に任せる、あるいは深めに寄せる)パターンと、速めにフルチャを撃ち始める(1匹目は自分でスタンさせて倒し切るが2匹目のとどめは味方に任せる)パターンがある。一度味方に任せると決めたら味方を完全に信じて、自分は次のグリルに集中したい。中途半端に半チャでとどめを手伝うと自分の首を絞めることになりやすい。
- どうあがいてもインクはかつかつになるので、グリルが遠くのスポナーから湧いているときに思い切ってがっつりインクを回復したりしたい。ノンチャや半チャの使用は可能な限り避けること。SPでインク回復するのも強力な手だ。
シェルター
- いずれのシェルターもグリルのシャワーにカサが当たるとカサが一瞬で壊れるので注意したい。
- パラシェルター:グリルを1発撃っては少しカサを開くことを繰り返すことで、コジャケ処理役とグリル処理役を兼ねることができる。コジャケが多ければカサを開く時間を長くしよう。コジャケを完全に無視できる状況では、火力を底上げするためにグリルの弱点にカサを当てながら撃つのもよい。
- キャンピングシェルター:カサを使ったコジャケ処理が強いが、メインウェポンの火力も高いのでグリルも撃ちたい。グリルが死ぬまではグリルを撃ち、グリルが死んだらガードもしくはパージする。パージするとしばらくカサが使えなくなり、重いインクロックもかかるため、ガードで済むならガードがよいかもしれない。次のグリルが迫っておりパージしてもすぐに壊されてしまう場合は特にそうだ。あるいは、グリルが来る前に段差や角につっかかるようにカサをパージしておき、そこに立ってコジャケのタゲを取りながらグリルを撃つ手もある。(参考資料)
- スパイガジェット:グリル処理とコジャケ処理を文句なしに両立可能。コジャケに近づいてなるべくタゲを取る意識を持ちたい。ただし、グリルに近づきすぎてカサを壊すことのないように。ZRを長押ししなければカサを開かずに済むので、グリルに密着した状態で弾を撃ってしまったときはZRを離してカサを守ろう。コジャケにカサの内側に潜り込まれると意外に辛いので油断しないように。
- 24式張替傘・甲:このブキに関しては私もよく知らない。適当にパージを流しながらグリルの弱点を撃つとよいのではないかと思う。カサを開ける時間は非常に短いが一応ガードも可能なので択には入るか。
ストリンガー
- トライストリンガー:スタン役に最適。フルチャが150×3=450ダメージであり、グリルを一撃でスタンさせられる。射程が非常に長く曲射も可能であり、グリルをスタンさせるために生まれたようなブキ。ただし、一撃でグリルを止めることは削りの権利を放棄していることと同じであるため、余裕があるなら1周+8時チャージでぎりぎりまで削っておくとよい。DPSは0.9周チャージで撃ち続けるのがもっとも高くなるので、グリルを撃つときは0.9周チャージで。ノンチャが40×3だったり、1周以上のチャージの矢が地面に刺さったときに発生する爆風も40×3だったりして、意外にコジャケにも強い。ただし密着されると脆いので過信は禁物。
- LACT-450:どの役もこなせるが、扱いが難しい。フルチャのダメージが70×3=210なのでフルチャ2回でグリルを気持ち良くスタンさせられる。グリルを撃つときは0.8~0.9周チャージで、コジャケを撃つときは0.5周チャージがよい。
- フルイドV:スタン役、グリル処理役を担いたい。1周で80×5=400ダメージなので、削る場合は1周以下に抑え、1スタンさせたい場合は1周より若干多めにチャージするとよい。コジャケ処理はノンチャで。ただし、このブキがコジャケを撃つような展開にはしたくない。
ワイパー
- いずれのワイパーも「飛ばしたインクでグリルを削ったりグリルのシャワー下のコジャケを処理したりできる」「タメ斬り直当てでグリルのスタンや処理を担える」「ヨコ斬りを連打すればコジャケ処理も簡単」と非常に万能で、火力も非常に高い。特にデンタルワイパーはタメ斬りなら一撃でグリルをスタン可能。なにをやらせても強いが、せっかくならグリルの処理に集中できるのが理想。
- グリルにタメ斬りを当てるとき、黒いナベの部分を斬ってしまうと攻撃判定が吸われて弱点部分に刀身のダメージが入らなくなることがあるため、適度に離れて斬ったり、グリルの中心ではなく斜めを向いて斬ったりするとよい。
クマサン印のブキ
- クマサン印のストリンガー:グリルの処理役に最適。作戦の軸になれる。フルチャは150×9=1350ダメージなので、スタンしたグリル(HP1800未満)に当てれば残りのHPは450になり、あとは味方の弾ですぐに倒せるはずだ。効率は悪いがスタン役も可能で、フルチャの矢が3本当たればOK。コジャケ処理は「ノンチャを連打する」「2時チャージを連打する(2時チャージすると1本あたりのダメージが40を超えコジャケが1確になる)」などの手があるが、インクに余裕があるなら「1周チャージで地面を撃ち爆風を当てる」のが効率的だ。
- クマサン印のブラスター:コジャケ処理役に最適。グリルに密着してグリルの弱点を撃っていれば勝手にコジャケも処理できる。瞬間火力がないのでスタン役は難しい。
- クマサン印のシェルター:万能。低くはない火力と散弾性質が合わさり、どの仕事もやろうと思えばできる性能。
- クマサン印のワイパー:グリル処理役に最適。作戦の軸になれる。グリルに密着してグリルの中心部を斬るとなぜか倍のダメージが入るため、グリルを一撃で葬り去ることができる(カス当たりだとスタンに留まる)。したがって、クマサン印のワイパーがある場合はすべてのグリルをワイパーが斬ることが目標になる。ワイパーはグリルにタメ斬りを当て続けることだけに集中し、エゴイスティックに動くのがよい。タメ斬りはインクロックが非常に長く、グリルを斬っているだけでインクがだんだん減っていくので、SPで回復するか、グリルが遠くから湧いた瞬間を見計らって回復する。コジャケを斬る余裕は基本的にない。そして、他のブキはワイパーが快適に動けるように全力を尽くす。コジャケ処理と納品はすべてワイパー以外が行うこと。なお、ワイパーがグリルを一撃で倒せずスタンだけした場合、そのグリルの処理は他のブキが行い、ワイパーは焦らずに次のグリルのための行動を開始するとよいと思っている。
- クマサン印のスロッシャー:グリルのスタン役、処理役に最適。作戦の軸になれる。こちらもワイパー同様にグリルの中心部を撃つとなぜか倍のダメージ、すなわち720ダメージを与えられる。つまりグリルを1発でスタン可能なうえ、3発で2160ダメージという致命傷を与えることが可能。このブキを持ったときの目標はすべてのグリルに必ず1~2発の弾を撃つこと。ただし初手のグリルは確実に暇なので迷わず4発撃ち込んでよいほか、2匹のグリルが直線に並んでいるときも貫通性能を生かして4発撃ち込んでよい。コジャケを撃っている余裕は基本的にない。また、納品の邪魔になる最後のグリルを遠くでスタンさせることも仕事のひとつだ。
- クマサン印のチャージャー:グリルのスタン役と処理役に最適。2発でちょうど400ダメージなのでグリルをスタンさせずに限界まで削ることができ、そこから7発撃ち込めば1400ダメージが入る。つまり、HP2200のうち1800を単独で削ることができる。コジャケ処理には向いていない。
- クマサン印のマニューバー:万能。立ち撃ちはコジャケ処理に、スライド撃ちはグリルのスタンや処理に使う。コジャケに詰められたらスライド爆風で処理できる。スライド爆風のDPSはスライド撃ちよりもわずかに低いが、多重ヒットやコジャケの同時処理を期待してグリルに使ってみるのも面白い。ただし操作は難しい。
- クマサン印のローラー:スタン役およびコジャケ処理役に向いている。タテ振りが600ダメージでグリルを1発でスタン可能。スタンしたグリルに対してはヨコ振り連打が妥当。ローラーを転がせばコジャケを一掃可能。
スペシャルウェポン
- ナイスダマ:Wikiいわく637ダメージとのことだが、グリルは動きが速いためかナイスダマ単独ではスタンすらさせられないことも多い。スタンのために使うというよりは味方が止めてくれたグリルに投げてグリルの処理を加速したりコジャケを一掃したりするのが主な使い方。グリル2匹に同時に当てられるとおいしい。グリルが来る前にナイスダマを溜めておいて予約曲射を狙ってみても面白い。なお、ナイスダマを発動してもグリルのタゲは切れないため、タゲのときに使うのは危険。
- トリプルトルネード:550×3ダメージ。グリルに対する多重ヒットあり。トルネードひとつでグリルをスタン可能。グリルが方向転換する場所を狙うと当てやすい。先頭のグリルがスタンした瞬間にトルネードを投げて、そこに突っ込んできた後続のグリルも巻き込んで同時に処理するのが強い。
- カニタンク:カノン砲は直撃300爆風150、インクショットは60、球体モードの接触は100ダメージ。カノン砲1発でグリルをスタン可能なのが強い。グリルをスタンさせたあとはインクショットとカノン砲を織り交ぜながら撃つとよい。球体モードになればコジャケを轢き殺せる。
- ホップソナー:150×3ダメージ。コジャケを勝手に倒してくれるのが想像以上に強い。いつ置いても強いが、2匹のグリルが逆方向から来てコジャケが散らばりそうな場面、終盤の駆け込み納品、あるいはむしろ序盤に遠くで倒したグリルのイクラの回収補助などに使うとよいと思う。
- ジェットパック:ショットは直撃300爆風100~75、ジェット噴射は2/Fダメージ。コジャケのタゲを安全に引き受けたうえでジェット噴射で自動的に処理でき、さらに300ダメージというグリルの削りやスタンに適したダメージの弾を非常に長い射程で放てるため、一般的な印象よりも強いと考えている。コジャケを安全に処理しながらグリルへの火力を両立できる点が高評価。2匹とも自分のタゲではないときに速めに使うとよいと思う。あるいは、自分タゲのときに使ってカゴの上に浮かぶことでグリルをカゴにベタ付けする使い方もある。
- メガホンレーザー5.1ch:540×3ダメージ。グリルに対する多重ヒットあり。移動コストを度外視して確実にグリルをスタンさせられる点が強い。2匹のグリルが逆方向から同時に来た場合などスタン役の味方が苦しそうなときに使うのが基本で、あとは序盤の処理加速や、終盤の邪魔になるだけのグリルのスタンなども用途に入ってくる。
- サメライド:突進500爆発700ダメージ。グリルに対する多重ヒットあり。突進と爆発を両方グリルに当てれば多重ヒットにより合計2400ダメージが入り、単独でグリルを撃破可能。ただし突進はスカる場合がある。また、2匹のグリルがつっかえて高度を下げている場合、サメライドは黒いナベの部分をすり抜けられない。基本的には、スタンしているグリルに対して爆発を当ててグリルとコジャケを一気に処理する使い方がよい。2匹同時に当てられると理想的。自分タゲのグリルに使うと突進がスカってスタンさせられないうえにグリルが振り向くことで爆発も防がれることがあるので、味方タゲのグリルに使うほうが確実。
- ウルトラチャクチ:300×3ダメージ。グリルに対する多重ヒットあり。スタンしているグリルに対して使い、多重ヒット込みで1800ダメージを与えてグリルを瞬殺しつつコジャケを一掃するのが基本的な使い方。グリルに近すぎると多重ヒットが入らないと推察されているので、グリルから適度に離れるように。発動してから攻撃が発生するまでに1秒ほど浮いている時間があり、スタンを確認してから使うと攻撃が遅れてもったいないため、理想論ではグリルがスタンする1秒前に先読みで発動するのがよい。
ステージ別立ち回り(工事中)
アラマキ砦 – 通常潮
基本的にはすべてのグリルを左から誘導したい。すなわち、右から湧いたグリルも中央の螺旋高台の奥を経由して左から誘導できるとよい。理由は次の通りだ。
- 右のU字路はグリルの移動が極端に遅くなる。
- 一度右にイクラを作ると、それを回収している間に後続のグリルも右に来てしまう悪循環が始まる。
- 左右にイクラが分散するとアルバイターの位置も分散し、フォーカスしにくくなる。
そのため、右から湧いたグリルに狙われたアルバイターは速やかに左奥に移動し、グリルを高台の奥から誘導できるとよい。
このステージの通常潮はどのスポナーもおしなべてカゴから遠く、グリルの到着に時間がかかるため、グリルをカゴにベタ付けする必要はほとんどない。順調に処理と回収が進んでいるなら、カゴ横の小さな坂すら登らせなくてよく、段下で処理して〈投直〉で回収するとよい。
コメント